前日の難しいコンディションからは一転、ドライコンディションとなった日曜の第16戦。午前10時20分にフォーメイションスタートを迎えたグリッド上には、トップ5は第15戦と同じく、新王者となったヴァン・ダム、国本、井口、コッツォリーノ、中山が並び、6番手には安田という顔ぶれの中、21周の決勝スタートが切られた。 「グリッドが濡れていたために第15戦では前に出られなかったが、反応は一番良かったので、ドライでさえあればスタートでトップに立てると思っていた」という予選2番手の国本が好スタートでトップに浮上し、「ホイールスピンさせてしまった」というヴァン・ダムが出遅れ2番手に。これに井口、コッツォリーノが続き、山本との競り合いを制した安田が1周目に5番手に浮上してくる。 スタート直後の1コーナーで山本とコッツォリーノが接触したことで、4位コッツォリーノはトップ3台に大きく水を開けられてしまい、1周終了時点で既にトムス勢3台が三つ巴状態でホームストレートへ。しかし、序盤こそ1秒以内の間隔で競り合っていた3台だったが、ここから徐々に国本が抜け出し、ヴァン・ダムは井口の攻勢を受けることに。しかし、ヴァン・ダムも井口に付け入る隙を与えず、トップ3を含め上位陣の順位の変動はない。 「最後までプッシュし続けていたので、勝ったと思ったのはチェッカーフラッグを見たとき」と振り返った国本は、追いすがるヴァン・ダム、井口を寄せ付けず、見事逆転で今季3勝目をマーク。「前日は今季最高のレースだったけれど、今日は最悪だった。2位は最初の敗者だから、僕はあまり好きじゃないんだ」と語ったヴァン・ダムが2位、3位には井口とトムス勢が表彰台を独占。4位にコッツォリーノ、5位に安田、6位に山本が入った。 ナショナルクラスポイントリーダーの山内英輝が、この第16戦で王座を手にするための条件は、とにかく勝つこと。すでに阻止できる唯一の存在、アレキサンドレ・インペラトーリが2位になろうとも決定する。だが、「タイトルを意識したのではなく、残しておいたニュータイヤを使ったため、グリップに負けてストールしそうになった」という山内はスタートに出遅れ、4番手に後退。逆に4番手グリッドからスルリと前に出たのが、他ならぬインペラトーリだった。しかし、勢いは欠いていなかった山内は、3周目に2番手に浮上すると、そのままインペラトーリに迫り、5周目のストレートで、ついにトップ浮上! その後は何事もなかったかのように差を広げ、7回目のトップチェッカーを受けた山内が、初代ナショナルクラスチャンピオンを獲得。「実感は湧かないんですが、常に僕のために全力を尽くしてくれたチームに対し、恩返しができたのはうれしいです」と素直に心境を述べた山内。彼を走らせたトムススピリットの東田直樹エンジニアも「自分もエンジニアとしては初のシーズン。ドライバーもエンジニアも“ルーキー”だったことで、素直に互いを尊重できたことが勝因」と振り返った。