| 全長6kmを超える市街地コースを舞台に、各国F3シリーズのトップコンテンダーが覇を競うF3世界一決定戦、第54回マカオGPが11月15〜18日行われた。
比較的好天に恵まれた4日間となったが、全日本F3からはチャンピオンを獲得した大嶋和也、ランキング3位となったオリバー・ジャービスを擁するトムスが参戦。さらに、ランキング2位となったロベルト・ストレイトがプレマパワー、塚越広大がマノー・モータースポーツ、伊沢拓也がフォーテック・モータースポーツと、それぞれヨーロッパのチームからエントリーしたことに加え、シーズン途中まで日本で走っていたイギリス王者、マルコ・アスマーも参戦するなど、日本のファン期待のイベントとなった。
走行開始の木曜日は、比較的涼しかったここ数年では珍しく、マカオらしい暑さに。そんな中、朝のフリー走行ではいきなり赤旗中断が入ったものの、各陣営ともにまずまずの走行。ユーロ王者のロメイン・グロージャンが2分14秒223でトップタイムをマークし、日本勢ではアスマー、ストレイト、塚越が3〜5番手に。
午後には早くも予選1回目が行われたが、ここでは伊沢がブルーノ・セナのクラッシュの巻き添えになってセッション半ばでアタックできなくなってしまう不運に見舞われたが、赤旗は1回きりでセッション後半は精力的なアタックが続けられた結果、アスマーが2分13秒122で暫定ポールポジションを獲得。セバスチャン・ブエミ、イエルマー・ブールマンがこれに続き、日本勢は塚越の6番手が最上位。ストレイトが9位、ジャービスが11位、大嶋が13位、伊沢が25位に。
金曜のフリー走行2回目では、伊沢が不運にもクラッチトラブルに見舞われて27番手で終わってしまったものの、日本勢が躍進。アスマーが2分12秒894でトップを堅守も、塚越2番手、ジャービス3番手、大嶋5番手、ストレイト8番手と、上位に顔をそろえることに。
迎えた午後の予選2回目は、予想通り3度の赤旗に寸断されることとなったが、セッション終盤にはジャービスがトップに浮上。これにアスマーが続くという状況でチェッカーが提示されたが、その直後に塚越が2分11秒912でトップに。このままポールポジション獲得かと思われたが、ファイナルラップにジャービスが2分11秒696にタイムアップ。アスマーも塚越を僅かに上回り、2番手に。この結果、ジャービス、アスマー、塚越と日本でお馴染みの顔ぶれが予選トップ3に。これにブエミが続いたが、イエローフラッグ提示中にセクターベストをマークしたために5グリッド降格され、結局9番手スタート。このため、大嶋が6番手、ストレイトが8番手、伊沢が24番手スタートとなった。
10周で争われる土曜の予選レース。ここでの結果が日曜の決勝のグリッドとなるとあって、各ドライバーともにひとつでもポジションを上げてフィニッシュしたいところ。
レッドシグナルが消えた瞬間、10番手スタートの小林可夢偉がエンジントラブルで動けず、またストレイトもストールで出遅れる波乱が起こるが、上位陣にもリスボア進入で波乱が発生。ポールポジションのジャービスをかわしてアスマーがトップを奪い、その後方で接触したブエミとエドアルド・モルターラの2台が、3番手で進入しようとした塚越を巻き添えに退避路へ直進。
これでアスマー、ジャービス、グロージャン、大嶋、ジェームズ・ジェイクス、サム・バードがトップ6となるが、1周目の山側でグロージャンがウォールにヒット、スローパンクチャーで後退する。
ところが、1周目のマンダリンでクラッシュしたマシンを排除するため、セーフティーカーが3周目に導入され、リスタートは5周終了時。ここでは上位陣にポジションの入れ替えはなかったが、翌周のリスボア進入でジャービスがうまくスリップを使ってアスマーを攻略。その後方では、ニコ・フルケンベルグとセナがクラッシュしたため、出遅れたストレイトと、最後尾にいったん落ちた塚越がポジションを上げてくる。
このオーダーのまま残り3周となったところで、最終コーナー立ち上がりで再びクラッシュが発生、レースは赤旗に。このため、レースは7周終了時点で成立となり、優勝はジャービス。2位にアスマー、3位に大嶋。ストレイトが8位、塚越が9位、伊沢が18位でのフィニッシュとなった。
そして日曜に迎えた決勝レースは15周。朝のウォームアップでも速さを見せたトムス勢が注目を集める中、午後3時39分にレースはスタートした。
レッドランプが消えた瞬間の動き出しは大嶋、アスマーが上回ったものの、ジャービスはその後の加速でトップを守ったままリスボアコーナーへ。アスマーをかわした大嶋が2番手、3番手にはバードが浮上。アスマーは4番手に下がり、ステファン・ジェリー、塚越がトップ6に。
9番グリッドから躍進した塚越は、2周目にジェリーをパス。アスマーもバードをかわして3番手に。また、ストレイトも4周目にバードをかわし、約2秒のマージンを守るジャービスを先頭に、大嶋、アスマー、塚越、ストレイトとトップ5に全日本F3勢が集結する。
ところが、7周目に山側でクラッシュした車両があり、8周目にセーフティーカーが導入される。
10周終了時点でのリスタートで、塚越はうまくアスマーをかわして3位に浮上すると、13周目にはスリップを使って大嶋に並びかけると、リスボア進入でこれをオーバーテイクし、トムスの1-2に割って入ることに。
しかし、ジャービスの優位は変わらず、そのままの順位でチェッカー。優勝はジャービス、2位に塚越、3位に大嶋、4位にアスマー、5位にストレイトとなった。また、初参戦の伊沢も16位にポジションを上げてフィニッシュを飾っている。
「終盤、塚越のオレンジ色のマシンがミラーに大きく映るようになったけれど、さらにプッシュして引き離すことができた。全日本F3のドライバーで上位を独占できて、さらに開発を続けてきた1AZ-FEエンジンの世界戦デビュー戦で優勝できたことがうれしい」とジャービスはガッツポーズでウイニングラップ。塚越、大嶋が2〜3位に続き、日本人ドライバーが史上初めて二人同時に表彰台に立つことに。まさに、全日本F3を世界にアピールする最高の結果となった。

●マカオGPリザルトデータ
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