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石浦宏明選手スペシャルインタビュー 2月22日

        


Q)全日本F3での2年目となった、昨シーズンはいかがでしたか?
石浦)1年目の最終ラウンドで優勝をすることができたので、自分としてはトムスというチームに行けばチャンピオン争いができる、というかチャンピオンを狙わなければならないんだという目標があって、初年度とは違う感覚で臨んだシーズンでしたね。1年目はなんとか1勝したい、という目標でしたけれど、やはり2年目はいっぱい勝たないと、と。

Q)そうした意気込みで臨んだ07年だったわけですが、実際のシーズンはどのように?
石浦)もてぎでの最初のテストでトップタイムを獲る事ができたんですよね。ダンパーやミッションなどパーツが揃っていない完璧ではない状況の中で。それまでチャンピオンを狙わないと、と思ってはいましたけれど実際には“とはいえ、トムスのクルマに乗ったからと言って本当に行けるのか?”という不安も一部ではあったので、そういった部分が無くなって自信になりましたね。“行けるんだ!”という気持ちになりました。だから、開幕前のテストが気持ちの面では大事でしたね。

Q)精神的にリラックスして開幕を迎えたということですが、その開幕ではチームメイトの大嶋和也選手が連続ポールを獲り、オリバー・ジャービス選手とともに優勝も飾りました。悔しい気持ちもあったと思います。

石浦)そうですね。でも、開幕が近づくにつれて彼らが使う1AZ-FEエンジンの速さが出て来ていましたから(笑)。特に富士ではストレート1本でコンマ2〜3秒も稼がれるなど、自分のパッケージでは挽回しきれない部分も見えていましたからね。記者会見では“次戦の鈴鹿では僕が優勝を”と言っていましたけれど、実際のところ悔しかったですよ。エンジンが違うから云々ではなく、与えられたものの中で戦わなければならないわけですから、コーナーなどでは自分の方が良い部分もあったりして、そういう部分をもっと伸ばせなきゃと……。

Q)その“コーナーで頑張らなきゃ”という思いが、序盤戦でプレッシャーになったりするようなことはなかったですか?
石浦)その部分を頑張ろうという気持ちはやはりありましたね。ただ、自分の中では岡山をターゲットにしていたので、そこまではチャンピオンシップを考えて、確実に表彰台を重ねておけばいいという気持ちでしたからね。あまり頑張りすぎる、ということはなかったと思います。

Q)では岡山までの流れは自分的には悪くなかったということですね。
石浦)そうですね。まずまずだったと思います。実際にトップとのポイント差もそれほど開いていなかったですし、自分としては良いスタートが切れたと感じていました。序盤の3イベントともに、すべて4位&2位でしたから、できる限りのことはできたかなと。逆に鈴鹿では予選でクラッシュして、首を傷めていながらのレースで、しかも予選順位も悪かった中で4位と2位が獲れたので、流れは決して悪くなかったと感じていましたね。予選でうまくセクターをなかなかうまくまとめきれないという課題はありましたけれどね(笑)。

Q)迎えた岡山ラウンドは土曜のレースでポール・トゥ・ウインを飾りましたが、日曜は突如スタート前に雨が降り出して混乱、連勝はなりませんでした。
石浦)岡山は、FTのころからテストの舞台になることも多かったですし、自分が一番走りこんでいるサーキットで、岡山に合わせたセットアップも掴んでいましたからね。それで走り初めから予想通りに進んで、予選も自信を持って臨んだ結果、レコードでの連続ポールポジション獲得ということで、クルマも自分も100点に近く、昨年の一番良いレースだったと思いますね。日曜にも雨が降らなければ、絶対連勝できていたと今でも思います。

Q)そして後半戦を迎えたわけですが。
石浦)岡山を終えた段階で、チャンピオン争いについてはポイント的にも“これはもう4人(大嶋・ジャービス・ロベルト・ストレイトと自分)の争いだな”と思いました。ただ、状況的に自分がぶっちぎってチャンピオンを獲ることは難しいと思っていましたから、とにかく多少順位が入れ替わっても良いから、トップとさほど離されない様な位置につけようという意識が強かったですね。終盤までポイント争いを続けるために、悪くても4位を外さないで、あとは勝てるときに勝って、表彰台に上がれるときに取りこぼさなければ良い、と考えていました。

Q)しかし、実際には後半戦は思うように行かなかったのでは?
石浦)岡山の第2レースもそうでしたが、どうも天候に左右されてしまったような印象でしたね。鈴鹿も予選がハーフウエットみたいなコンディションで失敗しましたし、オートポリスも台風の影響で練習走行ができず、ぶっつけの予選で思うようには走れませんでした。岡山同様、オートポリスは狙っていたサーキットだったんですが……。その後、スタートが上手く決まらない時期が続いてしまったり、今ひとつでしたね。

Q)後半戦はスタートで足を引っ張られるケースが多かったですね。
石浦)そうでした。クルマやドライビングではそれほど大きな問題はなかったと思いますし、速さはずっとあったと思います。予選のポジションも悪くなかったのですが、いつも予選までは良い感じで来ても結果が残らないレースが続いたので、チームにも申し訳ないし、雰囲気も今ひとつになってしまうしで、ドライバーとしては一番辛い状況でした。ピットに帰って来難いというか(笑)。

Q)しかし、そういう状況を打破したのが仙台でした。
石浦)はい。苦しい状況が続く中で、エンジン担当の方々や山田健二エンジニアと話す中で、“もう一度最後に勝とうよ”という感じで狙って行ったのが仙台でした。仙台は色々な意味で思い入れのあるところでしたし、自分としても勝ちたいなと。初めてZAP SPEEDでフォーミュラに乗って練習したのも仙台でしたからね。

Q)仙台でのレースウィークはいかがでしたか?
石浦)行く前には、結構エンジン的な性能差が出てしまうかなと思っていたのですが、走り始めたら意外と悪くない。“行けるな”と思いましたね。それでポールポジションを獲って。僕はポールではスタートをミスしたことがなくて、ポールを獲ればほとんど勝っていましたから、予選後にも自信がありました。

Q)結果として石浦選手は仙台で優勝を飾るのですが、あのラウンドではチームメイトの大嶋選手がタイトルを決める可能性がありました。そういう周囲の状況は気になりませんでしたか?
石浦)正直、まったく他の状況は気にしていなかったですね。仙台はテクニカルで、ギヤもクロスですし、とにかく走っていて楽しかった。何も考えず、あの時はこのレースに勝ちたいということだけしか考えていなかったですね。ただ、タイトルはもう難しかったですが、次につなげるためにもランキング4位は絶対条件だと自分の課題としていましたね。ステップアップのためにも、絶対4位は外せないなと。

Q)仙台で結果を残して、ランキングも4位になった状態で迎えた最終ラウンドは、タイトル争いの舞台となりましたが、最終戦ではタイトルに望みを残していたストレイト選手との接触がありました。
石浦)あれはもうどうしようもなかったですね。決してわざとじゃないんですよ!(笑)。たぶんロベルトが一番良く分かっていると思いますが……。レースが終わってすぐ、彼が僕の肩をポンポンッと叩きに来て、気にするな、みたいな雰囲気でしたから。もし“やられた”と思ったら、さすがにそんな素振りはできないじゃないですか。

Q)なるほど、終わってみれば2勝をマークしてのランキング4位。この結果にはどう思っていますか?
石浦)自分の考えていたのよりは、少し結果は悪かったですね。1AZ-FEを使う2台に負けてしまったわけですが、それよりも同じ3S-GEを使っていたロベルトにも離されてしまったのが悔しかったです。彼とのポイント差は、結局後で考えてみると自分がミスしたりして落としたポイントなんですよね。やはり、そういった自分のミスが自分の足を引っ張ったということだと反省しています。

Q)それでは、昨年1年間を振り返っていかがでしたか?
石浦)実は、僕はこれまでチームメイトがいたことがなかったので、同じチームに他に2人もチームメイトがいるというのは初めての経験でしたが、チームメイトがいると凄く良いなと思いました。彼らがいたことで自分を成長させてくれたと思います。

Q)大嶋選手とジャービス選手、チームメイトふたりは石浦選手から見ていかがでしたか?
石浦)大嶋選手は大体どこのサーキットに行っても安定して速いですし、僕とスタイルが結構似ているのでいつも比較対象として見ていました。GTでもそうでしたが、いつも何かあればふたりで相談したりしていましたね。お互いにメリットがあったと思います。オリバーの場合はクルマもちょっと違いましたし、走り方が僕らふたりとは全然違うので……。とにかくブレーキで行くタイプなので、もうロガーが重ならないくらいでしたが、そういう中でもコーナーによっては彼が凄く速い部分があったりすると、僕らふたりが真似させてもらったり。だから、3人いて初めて様々な相乗効果が互いにあったと思うんですよ。

Q)プライベートの部分ではいかがでしたか?
石浦)大嶋選手とはGTでも一緒でしたが、あれだけ長く一緒にいると、普通多少はぶつかったり喧嘩したりするんでしょうけれど、彼は意外と大人なので、そういうことはなかったですね。まぁ、彼は僕が子供なんだと言ってますけどね(笑)。確かに、それほど年の差を感じさせない相手でしたね。オリバーは思っていたよりはイギリスに帰る期間も長かったですが、彼とのコミュニケーションも楽しかったです。

Q)GTでも好調なシーズンでしたが、それがF3にも良い影響を与えてくれましたか?
石浦)GTがF3に与えた影響は大きかったと思いますね。GTでは僕と大嶋選手とで好きなようにやらせてもらいましたし、自分たちが考えたようにやって結果が出たので自信にもつながりました。GTでクルマ作りを一緒にやって上手く行ったことで、F3でも同様に、コース上以外の部分ではいっしょにセットアップを進める仲間という認識になれましたしね。

Q)GT、F3ともに好成績を残したわけですから、昨シーズンはドライバーとして納得のいくシーズンだったのではないですか?
石浦)そうですね。でも、最近になってやっぱりF3でチャンピオンを獲れなかった事が心残りですね(笑)。できることなら、もう1年F3をやってチャンピオンを獲りたかったなぁ、とか考えたりします。もしもう一度やり直せるなら、あのメンバーの中でもチャンピオンが獲れるんじゃないかと。なぜか、それだけ自信があるんですよ。うまくは言えませんけれど、去年の開幕時よりも、今の自分が成長しているのを感じるんですよね。

 

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